2015年ユーキャン新語流行語大賞をグーグルトレンドで調べてみた

ユーキャン新語流行語大賞の発表

2015年ユーキャン新語流行語大賞発表が発表された。

2015年間大賞
・爆買い
・トリプルスリー

2015年トップテン
・アベ政治を許さない
・安心して下さい、穿いてますよ。
・一億総活躍社会
・エンブレム
・五郎丸(ポーズ)
・SEALDs
・ドローン
・まいにち、修造!

さて、これらの言葉は本当に流行っているのだろうか?
僕の正直な感想としては、上記の言葉の半分以上が流行っているようには思えない。
そもそも、「トリプルスリー」「五郎丸」「アベ政治を許さない」「安心して下さい、穿いてますよ。」「まいにち、修造!」は知らなかった。
「エンブレム」は、盗作疑惑や税金のムダ使いといった話題が多く、負の側面が強い。
僕が、今年の流行語として理解できるのは「ドローン」くらいだ。

上記はあくまで僕の感想だ。
僕はテレビも見ないし、スポーツにも関心がない。
僕の感想もどこかズレているかもしれない。
いや、きっとズレている。

これらの言葉が流行っているかどうかを「客観的」に知りたい。
そういった場合に「グーグルトレンド」は最適なツールだ。
グーグルトレンドは、グーグルで検索された情報(ビッグデータ)を元に「検索のトレンド(流行)」を教えてくれる。

大賞に選ばれた「爆買い」「トリプルスリー」は流行っているようにみえない

下記のグラフは「爆買い」「トリプルスリー」「五郎丸」「エンブレム」「ドローン」の2015年のトレンドだ。

爆買い」「トリプルスリー」「五郎丸」「エンブレム」「ドローン」の2015年のトレンド

一番に思ったのは、大賞に選ばれた「爆買い」「トリプルスリー」の検索数が、他の単語より少ない事だ。
「爆買い」は、中国人旅行客の大量買いがニュースになったりするので、(流行っているかどうかは別として)まだ理解できる。

だが、「トリプルスリー」に関しては、流行語大賞発表以前の検索数が、流行語とは思えないほどに少ない。
流行語大賞発表後に上昇しているが、おそらく多くの人が「トリプルスリーの意味がわからなかったから検索で調べただけ」だ。
本当に流行っているなら、流行語大賞発表以前に上昇していなければおかしい。
(トリプルスリーとは、プロ野球において、打者が同一シーズンに「打率3割以上・本塁打30本以上・盗塁30個以上」の成績を記録することを言う。僕もわからなかったので調べた)

「アベ政治を許さない」「安心して下さい、穿いてますよ。」「一億総活躍社会」「SEALDs」「まいにち、修造!」については、上記の言葉と比べて無視できるほど検索数が少ない。

アベ政治を許さない」「安心して下さい、穿いてますよ。」「一億総活躍社会」「SEALDs」「まいにち、修造!」の2015年のトレンド

結局のところ、2015年ユーキャン新語流行語トップテンで、流行語として僕がまだ理解できるのは「五郎丸」「エンブレム」「ドローン」の3つだけだった。

最初に「僕の感想もどこかズレているかもしれない」と述べたが、(「五郎丸」を知らなかったので)やはりズレていた。
だが、2015年ユーキャン新語流行語大賞を選んだ選考委員会の方々も、僕と同様にズレていると言わざるを得ない。

Google検索による流行語ランキング」の方が流行語として理解できる

同時期にグーグルジャパンから「2015年Google検索による流行語ランキング」が発表された。

大賞 :マイナンバー
2位 :ラッスンゴレライ
3位 :エンブレム
4位 :ドローン
5位 :北陸新幹線
6位 :あったかいんだから
7位 :大阪都構想
8位 :火花
9位 :おにぎらず
10位:モラハラ

これらの言葉は、ユーキャン流行語大賞よりも納得できる。
とくに大賞の「マイナンバー」は、老若男女問わず多くの人が関心を持っているだろう。

「ユーキャン新語流行語大賞」と「Google検索による流行語ランキング」を比較してわかるのは、『特定の個人や団体が選んだものよりも「ビッグデータ」の方が流行語の精度が高い』という事だ。

ユーキャン新語流行語大賞のホームページによると、『現代用語の基礎知識』編集部がノミネート語を選出し、選考委員会によってトップテンと年間大賞語を選ぶそうだ。
もし、今後もユーキャン新語流行語大賞を続けるつもりなら、ノミネートも大賞も、信頼できるビッグデータを加えるべきだ。
いや、それどころか、「人を排除して、全てビックデータに任せるべきだ」と僕は思っている。